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暗い話ばかりをしてしまったので、ここで明るい話に転じよう。以下は、ファッションを中心にした、同時多発テロ発生下のニューヨークの話題である。
リーダーシップとは何か、お手本になるブッシュ大統領とジュリアーニ市長 |
今回、ニューヨークで会った日本の現地法人幹部の人達が、異口同音に言うのは「テロ事件で、一番感心したのは、ブッシュ大統領やジュリアーニ・ニューヨーク市長の活躍ぶり。テロ後の動き方を見ると、リーダーシップとはこういうことかと、始めて実際に体験したよ」という言葉。
そして、必ず「それに引きかえに日本では…」と日本の政治に対する批判が続くのだが、それはさておき、事件後のこの二人の行動には、目を見張るところが多い。
まず始めに、ブッシュ大統領だが、アメリカのマスコミは、「遅咲きの資質が花開いた」などと表現しているが、これも今では、最高のほめ言葉と映るほどである。
私・伊藤がポートオソリティ・ターミナルのニュース・スタンドで買った雑誌に、ブッシュ大統領が「グラウンド・ゼロ」と呼ばれている、ワールド・トレード・センターのビル跡地を視察しているカラー写真と、第二次世界大戦時に、イギリスを勝利に導いた、ウィンストン・チャーチル首相が、ロンドンの爆撃地に立っているモノクロ写真を並べているものがあったが、これが今、ブッシュ大統領を見る、アメリカ国民の見方なのである。 |
現場でのジュリアーニ市長とブッシュ大統領
Newsweek
より |
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一方、ニューヨーク市民に「あれだけパレードや行事に出席していたのでは、寝ている時間などないではないか」と感心されているのは、ルドルフ・ジュリアーニ市長だ。
ジュリアーニ市長が、前立腺ガンと診断されたため、政治活動を一時控えたことを知っているニューヨーカーにとっては、同氏の活動が、健康で若いブッシュ大統領とは又違う、「自分の健康は犠牲にしても、愛するニューヨークのために」と眠る間もおしんで動き廻っているその姿に、称賛の声が上がっている。
我々がニューヨーク取材をした時は、ちょうど市長選の最中だったが、ニューヨーク市民や一部議員の間に、公職選挙法(三選以上禁止)を改正してでも、ジュリアーニ氏に続投してもらいたい、という声が巻き上がり、街角には、”GIULIANI FOR MAYOR(ジュリアーニ氏を市長に)”というポスターが貼られたりしていたくらいである。
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もちろん、このような法改正をしても当選させようというのは問題あり、ということで実現はしなかったが、このような事実は、
ジュリアーニ氏にとっては政治家冥利につきる話だろう。
なお現地の新聞は、今年のハローウィン(10月31日)の子供のかぶる仮装用のお面に、ジュリアーニ氏の顔のものがよく売れた、というニュースが掲載されていたものも、その人気の一面を物語っている。
ところで、ここからが、このファッション・レポートの本題だが、この二人を見ていると、スーツがまったく対照的なのが面白い。
着ているスーツが、実によく、二人の出生をあらわしているのでこれを紹介しておこう。
まずブッシュ大統領だが、言う迄もなく、ブッシュ家は現在の英国のエリザベス女王も遠縁であるというほどの名門の出身。
ブッシュ家の家訓の一つに、「男は50歳になったら政治家になって国のために尽くせ」というのがあるそうだが、祖父も上院議員だったし、同名の父親はいう迄もなく、第41代アメリカ合衆国大統領であった。
従って、 学校もエンドオーバーのプレップスクールを出、エール大学を卒業し、ハーバードのビジネススクールに学ぶ、という、アメリカ人としては、最高のエリート・コースを歩んでいる。
この大統領の着ているスーツは、ブリティッシュ・アメリカン及至は、イングリッシュ・アメリカンと称されるもの。
スーツを仕立てているのは、「オックスフォード社」だが、肩はスクエア・ショルダー(角肩)に近いナチュラル・ショルダー(自然肩)で、胸に、極めて豊かなドレープがつき、ウエスト位置でしぼりをきかせるという、非常に男性的なシルエットである。
私・伊藤は、「オックスフォード」のニューヨーク事務所に行って、 大統領と同じ仕立てのものを見せてもらったが、ほとんどハンドメイドのフルオーダーで、その仕立ての見事さには一驚した。
値段を聞くと、スーツ1着で、4000ドル(日本円にして47万円位)。やはりいいものは高いのである。
一方、ルドルフ・ジュリアーニ市長だが、同氏はこの名前が示すようにイタリア系の家系。
この出生が示すように、極めてソフトな仕立てのスーツを着ている。ジュリアーニ市長にはインタビューしたこともなく、アメリカのマスコミにも氏のスーツについては、何も書かれたものがないので、よく分からないが、筆者の見たところ、ジョルジオ・アルマーニのスーツに違いないと思える。
いずれにしても、二人共、その活躍にふさわしい、高級、従って高価なスーツを着ていることだけは確かである。
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ヒーローはファイヤー・ファイター
「ニューヨークの消防士12人逮捕、遺体捜索縮小に抗議」というのは、昨日(2001年11月24日)朝刊の一面の記事。これによると、まだ発見されていない250人の遺体をそのままにして、ワールド・トレード・センタービル跡地の取り片付け作業を縮小するという市当局の方針に、消防士たちが「消防作業中に殉職した仲間の遺体をそのままにして、がれきと同じ扱いをするつもりか」といきり立ち、市警の警官たちと衝突し、公務執行妨害の容疑で、現行犯逮捕された、というのがその内容。
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これを見ても分かるように、今回の同時多発テロで一番活躍したのは、危険をかえりみず、消火のためにビルに突入した、ニューヨーク消防局の消防士たち。何しろ、300人以上の殉職者を出した事実が、これを証明している。
ニューヨークの消防士たちは、ほとんどがアイリッシュ系。この人たちは、ジョン・フォード監督演出の西部劇映画で活躍したジョン・ウェインを見れば分かるように、ほとんどが赤ら顔の大男で、気っ風もいい。今、ニューヨークのヒーロー(英雄)は、このファイヤー・デパートメントの消防士たちである。
いつも定宿にしている45丁目のコンドミニアムの近くには、54分署があるが、この前を通ると、大きな54と書かれた消防車を前に、新聞社が生き残りの消防士を取材中の光景に出会い、さっそくスナップさせてもらった
因みに、54分署は、全員で20人の陣様だが、今回の事件で、このうち実に15人が殉職している。
こんなこともあって、街には、色々なヒーロー・グッズがあふれている。
有名なおもちゃのデパート「FAO・シュオルツ」で見た、「私の消防士人形」という名の人形。35ドルの値段が付けられていた。
手元に写真がないので文章のみになってしまうが、「ブルーミングデールス」の5階にこのほど、ニューヨークの消防局のグッズを扱うコーナー「FDNYファイヤー・ゾーン」がオープンした。
期間はホリデーシーズン(クリスマスからニューイヤーまで)のみの限定だが、クリスマス・ギフト売場に作られたコーナーには、プレゼントを買う客が引っ切りなしに訪れている。
「オープンした最初の週末は、一日で1万8千ドルも売り上げた」とは、この店の担当者の話。一番人気は、本物の消防士の着用するジョブ・シャツ(49ドル95セント)で、品切れして、もうないという。
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消防士を取材中の光景

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子供のファイヤーファイターファッション
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ニューヨークは今、星条旗だらけ |
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ニューヨークの町は今、どこにいっても星条旗だらけである。
普段、 日本のTVでよく放映されているロックフェラー・センターのスケート・リンクも、いつもは世界中の万国旗が掲揚されているものだが、あの時以来、旗は全部星条旗だけになってしまった。
町を走る消防車やパトロールカーなどの公用車は言う迄もなく、個人の車にも、ほとんど全部星条旗が付けられている。
「サンフランシスコで旗を製作し、全米に向けて販売しているジム・オリエット社長は『星条旗の注文が10年分一度に入ってきたようなものだ。こんなことは、日本の真珠湾攻撃以来はじめてのことさ。数は真珠湾の時と問題にならないくらい多い。でも注文が増えるのがビジネスにとっては喜ばしいが、今回に限っては、注文が多くても素直に喜べない』と語る。
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ロサンゼルスの繊維問屋街で雑貨業を営んでいるスパニッシュ系のコランド氏は、『数日前から星条旗がメキシコの工場から大量に入荷しているが、一日でなくなってしまった。
小売店からの注文電話が鳴りっぱなしさ。
ここで、20数年商売しているが、こんなことは初めてさ』と、複雑な表情で語ってくれた。
(10月8日付US.JAPAN BUSINESS NEWS)」
というのが、今のアメリカなのである。 |
フィフス・アベニュー(五番街)を歩いていて、あふれる星条旗を見ていると、これは本当に愛国心の現われなんだろうか、ひょっとすると、本当は販促の手段なんじゃないか、と思われる光景によくぶつかる。
あるジュエリー・ストアは、ウィンドウに「エマージェンシー・リセッション・セール」なんて、上品だけど、商魂たくましく、それも宝石店らしく、大きなゴールド色のボードをかかげてセールをやっている。
あまりのタイミングのよさに、ちょっと笑いが出てくるではないか。
有名ブランド「エスカーダ」の店のウィンドウなんか、急遽、名のある自社のデザイナーにデザインさせたのだろう、星条旗をモチーフにした婦人もののドレスが、品よく飾られている。
イタリー出身の「ベネトン」のウィンドウも、「今はやりのスターズ&ストライプの旗以外にないでしょう」全面に米国旗がべったりという有様だ。
驚いたのは、日曜日にこの五番街を歩いていたら、大きな星条旗を4〜5本背中にくくり付け、手に星条旗の小旗を持った、旗の行商人が現れたことだ。
こんなの商売になるまい、と思って見ていたら、星条旗があまりの売れ行きのために品不足なのか、こんな人から買う人もいるらしく、結構な数の人が旗にさわって見ている。
(続く)
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ついに出た星条旗の行商人
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