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Shiro Itoh’s Archives-(5)-2
<ブリティッシュ・アメリカン>とは何か


 ズバリ一言でいって、<ブリティッシュ・アメリカン>とはどういう傾向なのだろう。
 これは、読んで字の如く、英国的なクラッシックさをベースにしながら、これにアメリカン・ファッション独特の機能性、着やすさ、などを加えたもの、と解されるが、先日、メンズ・ショップ高久(高久泰憲社長)の招きで来日した、<ブリティッシュ・アメリカン>の旗頭ともいわれる、メンズ・ウエア・デザイナー、アレキサンダー・ジュリアン氏のインタビューが7月3日付、日本繊研新聞に掲載されているので、これを引用しながら、本論にはいっていこう。以下は、A・ジュリアン氏と、日本繊研新聞の木村記者との一問一答である。

 『--最近のメンズ・ウエアのデザイン傾向をどのように見るか。
 ジュリアン氏  ひと言でいえば、"ブリティッシュ・アメリカン"の傾向が強く、トラディショナルの復活が目立つことだ。だだ(これは)過去の伝統を踏襲する「複製」とは、性格が異なるものだ(傍点筆者)。シルエットでいえば、全体に"細身"ではあるが、タイトではなく、着心地が最優先されている。
 デザイン的には、(中略)、肩部がナロー・ショルダーとなるなど、アメリカン・ディティールが随所に使われている。スーツでは、3ツ釦のダブルブルスト、ノーベントが注目されている。

ジュリアン氏の作品は"ブリティッシュ・アメリカン"調であると発表されているが、ブリティッシュ・アメリカン(B・A)について伺いたい。
 ジュリアン氏  さきほども述べたように、"トラディショナル"が復活して来た。この"B・A"とは英国の伝統的な素材、色、シルエットを基本に置き、現代性をミックスさせたものである(傍点筆者)
 英国のデザイン・センスには、素晴らしいものがまだ多く残っている。ところが、フランス、イタリアのデザイナーの多くは、"ブリティッシュ"を受け入れようとはしない。しかし、現実には、さきに行なわれた秋冬ファッションショーで、この"B・A"が新しいアメリカの傾向となっていた。
 デザイン的には、ソフト・ショルダーで、ほどよくシェープされたフレヤード・ラインだ。ラペル付きのベスト、フランネルのスポーツ・シャツなどが"B・A"の特徴的なものだ。
 素材にはナチュラル(自然)なものしか使わない。ただ日本市場で発表するにあたっては、消費規模の違いもあって、あまり自然素材にはこだわらない。要は感覚的に"自然"が表現出来ればよいと思う。シルク、ウール、コットンが主素材となっている。』


トラディショナル・ルックに対する日本とアメリカの考え方の違い
 以上、長々とインタビューを引用したが、さてここで問題になるのはトラディショナル・ルックに対する、日本とアメリカの考え方の違いである。この点をクリヤーにしておかないと、すべて混同してしまうので、まず第一に、これを説明しなければならない。
 

 
 

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