Page13

 



Shiro Itoh’s Archives-(4)-4

☆ファブリック・ベルト

「スワンク」というメーカーがある。 もともとジュエリー(カフスボタンやタイバアなどの総称)の好きな人なら「ヒコツク」と並んで2大メーカーといわれているが、この「スワンク」でも、最近では、ジュエリーだけにはとどまらず、ギフト(贈物)から、ベルト、そして、ウエアにまで手を出し始めている。
 この「スワンク」が、この春、大々的にプロモーションしようとしているのは、写真のようなファブリック・ベルトだ。このベルトは、アーリー・シックスティーズ(1960年前半)の第1期アイビー全盛時代には、誰でも1本は持っていたもの。ドレススラックスには合わないが、コットンパンツにはピッタリのものである。
 若者の間に、ジーンのきたならしさが嫌われて、かつてのジーン党が、この春、かなり数のコットンスラックスに移っているが、このようなスラックスに、正にピッタリだろう。
 一本だけでなく、ズボンの色に合せて、2?3本持ちたいのが、このファブリック・ベルトである。
 一方、マウンテン・パーカなどで、このところ、わが国の若者にモテモテの「L・L・ビーン」の広告を見ていたら、ウエッブベルトというのが出ていた。ウェッブ(WEB)とは織物のことだか、これはDリングが二つ付いた、昔リボン・ベルトといったヤツ。
 今でも、ブルックスブラザーズなどでは、昔ながらの黄や赤などの原色や、赤/白、赤紺など/のストライブのリボン・ベルトが6ドル50セント位で売られている。
 この「L・L・ビーン」のものは、ネービーと赤と白とがあり、一本僅か、2ドル25セントである。

☆トラッドなセーター2点
非常にトラディショナルなセーターを2点ご紹介しよう。
 まず写真はネクタイのところで紹介したことのある<レシリオ>の新製品。 "ハントマスター・カジュアル・コレクション"と名付けられたもののひとつで、ご覧のように、デザイン的には何の変哲もないクルーネック・セーターなのだが、右胸にガンパッチと両肘にアームパッチのスエードが貼ってあるところが新しい。だから、これは、厳密には、アイビーリーグモデルというより、ラルフローレンやポール・スチュアートなどと同傾向の、ブリティッシュ・アメリカンというべきかも知れない。
 写真右はデザイン的には、どうということはないのだがアイディアが面白いと思った。カジュアル・ウェアでは大手の「ロバートルース」の製品である。
 「アン・オーセッング・レップ・デザイン」という名の付けられている通り、これは、ネクタイなどに使われるレジメンタル・ストライプをセーターに応用したもの、あまり売れるとは思われないが、いかにもアイビー的な雰囲気は、努力賞というところか‥‥。
「A&B」「ケーブルカー・クロージャー」の広告
最後に、いつも私が広告を見ていて、テイストといいレイアウトといい、いかにも古くさいのだが、非常にアイビー的だなあ、と思っている店を2店紹介して、筆を置くことにしよう。
まず第一に、ウエストコーストのサンフランシスコにある「ケーブルカー・クロージャー」から、何ともいえない古くさい感じだが、このブラケット(前立て)付きのプルオーバーのボタンダウンのシャツは、まったく泣かせる。
「アワ・アンユージアリー・ロングスリーブ・プルオーバーシャツ‥‥」などという時代がかったコピーもいいではないか。シャツの値段は22ドルだそうである。
一方、ニューヨークのマジソン街45丁目の「アバークロンビー&フィッチ」はスポーツウエアとスポーツグッズの専門店(現在はオーナーが代わりアパレルメーカーになっている)である。
この場所は、「ブルックスブラザーズ」「Jプレス」「ポール・スチュアート」「トリップラー」など、いずれおとらぬトラディショナル有名店が固まっている。トラディショナル銀座?の中心である。
なかでも、「アバークロンビー&フィッチ」は「アクティブスポーツウェア・フォー・アクティブスポーツマン(実際にスポーツをやる人のための本物のスポーツウエア)ということを、ストア・ポリシーにしているスポーツ専門デパート」である。
 
( 1977年「男子専科」8月号より )
   

copyright(C)ISLANDS since2006