ニューヨークのロックフェラー・センターに近いヒルトンホテルに泊っての日曜日、朝遅く起きて、1階にあるブック・スタンドで、ニューヨークタイムズの日曜版を買った。
このニューヨークタイムズの日曜版は、われわれ日本人の概念からすればおよそ新聞というのとはかけ離れているように思える。
というのは、厚さが優に、4?5センチはあって、ご丁寧なことにその中に、(ニューヨークタイムズ・マガジン)という雑誌と、<ニューヨークタイムズ・ブックレビュー>というのが2冊も、おまけに付いているからだ。
私が泊っていた4月17日の号は、パート2、セクション6という分類で、さらにこの<ニューヨークタイムズ・マガジン>に『メンズファッションズ』という特集が加えられていた。
確か、このメンズファッション専門の特集は、年に2回発行されていると記憶している。そして、何しろ、新聞の作るファッション誌なので、内容はホットニュースそのものなのだ。
朝遅く起きた私は、ブランチと呼ぶ、これまた、いまニューヨークで流行の、日曜日の朝遅い朝食昼食兼用の、ちょっとおごった食事をしながら、行儀は悪いが、この部厚い新聞をテーブルの脇に置いて、『メンズファッションズ』のページをめくるともなく眺めながら、十分にブラックペパーと塩をかけたサニーサイドアップ(日本でいう目玉焼き)を落としそうになりながら、フォークですくい、あぶなっかしい手付きで
口に運んだ。
どうでもいいことだが、この二つの目玉のサニーサイドアップを落さずに口に運ぶのはとてもむずかしい作業だ。おまけに、左手で、マガジンのページをおさえているのだから‥‥。
「ウッジュ ライク モア コーヒー?」
とピンクのエプロンを掛けた可愛いウエイトレス。
「イエス プリーズ‥‥」
と私。
うすいアメリカンコーヒーは、日本のお茶と同じで、何杯でも飲める。
こんな日曜日のあまり人のいないホテルのレストランでのブランチは楽しい。