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Shiro Itoh’s Archives-(3)-1
( 1976年「男子専科」1月号より )

(3)アメリカ建国200年祭とアメリカ・ファッション

ニューヨークの五番街のセントラルパークの南端寄り、正確には58丁目角に<シュオルツ>というおもちゃデパートがある。
 このデパートは、高級玩具を大規模に集めているという点ではおそらく世界一だと思うが、品揃えに「戦争」とか「暴力」に関係するものは絶対に扱わない。
 私はこの店が好きで、ニューヨークに行くたびに、ここに寄るのだが、こんな理由で日本では大流行の、モデルガンや、戦争のおもちゃは、かつて見たことがない。
 ニューヨークっ子たちは、子供も大人も、この<シュオルツ>のウインドウを見て「もうすぐクリスマスがやってくるなあ?」とか、「おや、ヨットが並び始めたぞ、次のウィークエンドにはサマーハウスの手入れにいかなくっちゃ?」と季節と時の動きを知る。

 この<シュオルツ>の北側のウインドウに、4ヶ月前から、独立戦争時代の、英雄をあしらったトランプや、13州の軍隊の古い星条旗や、鷲のマークの灰皿が並び始めた。
 こうして、道行く人々は、今、いよいよバイセンティニアル(BICENTENNIAL、2世紀、つまり、200年)の記念すべき年が静かにせまり来るのを感じているのである。
 アメリカの建国200年は、アメリカでは、前述の<バイセンティニアル>という言葉がもっともよく使われ、その他にごく僅かだが、<アメリカン・リボリューション(AMERICAN REVOLUTION アメリカ革命)>とか、<ハッピー・バースディ・アメリカ(HAPPY BIRTHDAY AMERICA)>とかいわれている。
 いずれにせよ、歴史の短いアメリカ人にとって、ようやくたどりついたこの2百年めは意義深いものであることは、誰もが否定出来ない事であろう。
 そしてそれは、いくらいやがっても、結局は、その傘の下、影響圏内にあるわれわれにも、大きな反響を与えることは明らかである。
 おそらく、日本のジャーナリズムは、このアメリカ建国200年については大きなページを割くに違いない。そこで、私も、この念頭のファッション・フォーキャストを、これがメンズファッションの面には、どんな反映をもたらすか、ということをテーマに、話を進めて行きたいと思う。
 
 
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